探偵伯爵と僕

探偵伯爵と僕 His name is Earl (講談社文庫)

探偵伯爵と僕 His name is Earl (講談社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
もう少しで夏休み。新太は公園で、真っ黒な服を着た不思議なおじさんと話をする。それが、ちょっと変わった探偵伯爵との出逢いだった。夏祭りの日、親友のハリィが行方不明になり、その数日後、また友達がさらわれた。新太にも忍び寄る犯人。残されたトランプの意味は?探偵伯爵と新太の追跡が始まる。

森博嗣さんのミステリを読むのは久々で、森さんのノンシリーズの作品を短編以外で読むのはたぶん始めて。子供だからといって過度に子供らしさを強調するようなキャラは苦手なので、語り手が大人っぽくて良かった。森さんの小説は会話文が面白いから好き、この本は会話文が多くて読みやすかった。伯爵とチャフラについて『夫婦にしては歳が離れすぎているし、親子というには、少し近すぎる』(13P)と書いているのに、193Pで伯爵のことを五十五歳くらい、チャフラのことを二十三歳くらいと思っていたのは少し変に思ったけど、伯爵との会話でそう答えただけだからチャフラの年齢の想像は気を使ったということかな?
最後の探偵伯爵からの手紙で、犯人に嫌な生々しさを感じさせるなあ。