人間はどこまで動物か

人間はどこまで動物か (新潮文庫)

人間はどこまで動物か (新潮文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
ホタルが光り、蝉が鳴き、蚊柱が立つのはなぜ?―すべて、より効率的に配偶者と出会おうとする、彼らの合理的で賢い戦略なのです。生き物は皆、生き延びて子孫を残すというのが人生の大目標。動物行動学の第一人者が、一見不思議に見える自然界の営みを、ユーモアたっぷりに解き明かします。私たち人間も、しっかり自然を見据えれば、本当の生き方が見えてくるかもしれません。

特に面白く感じたのは『タヌキという動物』と『人間はどこまで動物か』。
『タヌキという動物』、タヌキの子育て、メスが出産をしたあとにオスが体温調節能力のしっかりしていない子供を保温するために一月もほとんど外出せずにエサもほとんどとらないから、子供が外に出始める頃にはゲソゲソにやせてしまう、というのは知らなかったけど変わっているなあ。
『人間はどこまで動物か』、「イヌはどこまでネコか?」という問いを発しないように、違いが ベクトル(方向)ないしパターンの違いということを人はわかっているからで人間はどこまで動物かという問いは、一本のスケール上での到達度を問題にしようとする近代の発想の呪縛のように思われる。というのは比べるて優劣を付けるようなことをするのに意味はないということか。