平凡物語 下

平凡物語(下) (岩波文庫)

平凡物語(下) (岩波文庫)

内容紹介
「この小説はロマンチシズム、空想癖、田舎気質に対する何という恐るべき打撃だろう」(ベリンスキー)。次々と苦い現実に直面し、幻滅を重ねていくアレクサンドル。理想を抱いていた青年が世間ずれした俗物と化す――『平凡物語』とは、およそありがちな過程を辿っていく一人の人間の〈平凡〉な〈歴史〉の〈物語〉である。(全2冊完結)
内容(「BOOK」データベースより)
次々と苦い現実に直面し、幻滅を重ねていく主人公。理想を抱いていた青年がやがて世間ずれした俗物と化す。『平凡物語』とは、およそありがちな過程をたどっていく一人の人間の、微苦笑を誘う平凡な歴史の物語である。

「僕は自分の行動範囲を決めておいたので、その線からでようとは思いません。この範囲内では僕はお山の大将です。これが僕の立身出世です」(P191)

人が変質していく過程を見るのは、その変容の良し悪しを問わずに、個人的には少し苦手。なので、対話が主ですごく読みやすいのに結構読み終えるのに時間がかかってしまった。あと恋愛の話多いなあ。
訳は改訳ではなく1952-1953年の創元文庫版から細かいところ以外には変えていないようで、文章がすごく読みやすいと思っていたのでそのことに気がついて驚いた。
ゴンチャロフさんの小説は9月に岩波文庫で断崖(1)がでるようなので楽しみ。

断崖(一) (岩波文庫)

断崖(一) (岩波文庫)