妊娠小説

妊娠小説 (ちくま文庫)

妊娠小説 (ちくま文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
舞姫』から『風の歌を聴け』まで、望まない妊娠を扱った一大小説ジャンルが存在している―意表をついたネーミングと分析で、一大センセーションを巻き起こした処女評論。待望の文庫化。
内容(「MARC」データベースより)
日本の近現代文学に「妊娠」が小説の中で重要なポイントを占める「妊娠小説」とでも呼ぶべきジャンルがあることを発見した著者が、その独自の視点と手法で妊娠小説のあゆみ・しくみ・なかみを解明する。* --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

斎藤美奈子さんの本を読むのはこれがはじめて。評論の本はあまり読まないけど、文章が面白く楽しんで読めた。『妊娠小説』なんてジャンルを見出して、それをタイプごとに分類していく手腕はすごいなあ。こうして、『妊娠小説』としてくくられて個々の類例を見せられると、今まで意識していなかったことなのにしっかりと型のあるものと認識できるのはすごいなあ。『『風の歌を聴け』のトリック』(P78)は読んだことのある小説から例がでたからかもしれないけど、「鼠」と「小指のない女の子」の関係性は考えたことのなかったことなのですごく驚いた。