驕れる白人と闘うための日本近代史

驕れる白人と闘うための日本近代史 (文春文庫)

驕れる白人と闘うための日本近代史 (文春文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
「我々の歴史こそ世界史であり、あらゆる民族は我々の文明の恩恵に浴することで後進性から救われてきた」―そんな欧米人の歴史観・世界観に対し、日本近代史に新たな角度から光を当てることで真っ向から闘いを挑む。刊行当時、ドイツで大きな物議を醸した本書は、同時に、自信を失った日本人への痛烈な叱咤にもなっている。

ドイツ語の原書のタイトル『宇宙船日本』の方が買いやすかったな。内容は邦題の方がわかり易いけど、なんとなく買いづらいや。吃驚するほど読みやすく、1日で読み終えることができた。
もちろん外国で書かれた日本の弁明本だから書かれていること良い面に偏っているのだろうけど、農民や商人などについて、はじめて知ることも多く勉強になった。農・商はわりと良かったという風だけど、封建制度のわりになのか、明治以降と比較してなのか、当時の世界と比較してなのかは、農・商について詳しくないからよくわからないけど。
ヨーロッパがアラブとの貿易でヨーロッパ人奴隷が主要な輸出商品の一つということを知って、しかも『一五五〇年頃、チュニジアの主とチュニスだけで、約三万人のヨーロッパ人男女の奴隷がいたことが記録に残っている。』(P126)というほどに大規模なことに驚いた。
幕末の欧米の横暴さにはやるせなさを覚えるくらいだな。今まで攘夷派に明治以降を知っているから、現実があまり見えていないなと思っていたけど、こういうものを読むと攘夷派にも共感できるよ。