ヒトのオスは飼わないの?

ヒトのオスは飼わないの? (文春文庫)

ヒトのオスは飼わないの? (文春文庫)

出版社/著者からの内容紹介
ネコ6、ヒト2、イヌ1の暮らしって!?
ロシア語通訳の仕事先で出会った新しい家族。
名エッセイストの犬猫+ヒト騒動記。

ロシア語通訳として第一線で活躍しながら、家に帰れば犬1匹、猫6匹に振りまわされる毎日。読売文学賞講談社エッセイ賞作家の、笑って泣ける最新エッセイ。

その翌年の年頭あいさつは、こうだった。「一昨年の猫2匹に続いて、昨年は仕事先で出会った野良犬1匹、連れ帰ってしまいました……」
これを受け取った恩師が、元旦早々電話してきた。「ネコイヌもいいけれどねえ、君、そんなことより、早くヒトのオスを飼いなさい、ヒトのオスを!!」――本文より

米原さんのエッセイの中でもトップクラスに好きかも。犬や猫との生活についてのエッセイ。エッセイとは言っても短いエピソードがいくつもバラバラにあるのではなくて、小説のような感じでひとつの物語になっていてとても面白い。それに会話文が多いから読みやすい。
犬や猫、それぞれのキャラクターが出ているのがいい。ただ『猫に似た人』はフィクションっぽい感じのエピソードだけど、唐突にフィクション入れる意味がわからないからちょっと困惑する。
面白かったので続編の『終生ヒトのオスは飼わず』も早速読んだ。