困ります、ファインマンさん

困ります、ファインマンさん (岩波現代文庫)

困ります、ファインマンさん (岩波現代文庫)

出版社/著者からの内容紹介
『ご冗談でしょう,ファインマンさん』につづく痛快エッセイ集.好奇心たっぷりのファインマンさんがひきおこす騒動の数々に加え,人格形成に少なからぬ影響を与えた父親と早逝した妻についての文章,そしてチャレンジャー号事故調査委員会のメンバーとしてとらわれぬ発想でいかに原因を究明していったか,その顛末が報告される.

解説で、ファインマンの著書はこの本のように聞き書きだったり、講義、講演をまとめたもので『実はファインマンは、自分で筆を取って一冊の本を丸々書いたことはない』(P347)ということを知り驚いた。
この本の章はI、II、IIIに分けられていて、前作(解説によると『「ファインマンさん」シリーズは、ファインマン関連本を集めて岩波書店が独自に作り上げたシリーズなのである。』(P346)らしいので前作という言い方は変かもしれないけど)と同じ系統のエピソード群はIIだけ。IIIの『ファインマン氏、ワシントンに行く』はファインマンさんの活躍ぶりがいい。まあ、自己の原因についての専門的な説明はわからないけど。それと第十の勧告と付録(ファインマンの報告書)についての話は面白い。『ご冗談でしょう、ファインマンさん』と同じ系統のIIのエピソード群の中では『「ワン・ツー・スリー、ワン・ツー・スリー」』が特に面白かった。