緑の家 上

緑の家(上) (岩波文庫)

緑の家(上) (岩波文庫)

内容紹介
インディオを手下に従えて他部族の略奪を繰り返す日本人、アマゾン奥地の村の尼僧院で暮らすインディオの少女、砂の降りしきる町に流れ着き、娼館「緑の家」を建てる盲目のハープ弾き……。広大なペルー・アマゾンを舞台に、さまざまな人間たちの姿と現実を浮かび上がらせる、物語の壮大な交響楽。現代ラテンアメリカ文学の傑作。(全2冊)
内容(「BOOK」データベースより)
町外れの砂原に建つ“緑の家”、中世を思わせる生活が営まれている密林の中の修道院石器時代そのままの世界が残るインディオの集落…。豊饒な想像力と現実描写で、小説の面白さ、醍醐味を十二分に味わわせてくれる、現代ラテンアメリカ文学の傑作。


バルガス=リョサ、有名な作家だけど読むのははじめて。
冒頭、いきなり20ページちょっとにわたって改行をしない一塊の文章で驚いた。それでも、読みやすいのがすごいな。100ページくらい読み進めてようやく、くるくると変わるいくつ者物語が同時期ではなく、時間にズレがあるとようやく気づく。フシーアとアキリーノとの会話で、二人の会話にわかり易い区切りがなく現在形で過去や別の場所の話が挟み込まれているのはわかりにくいなあ。横着しないで、物語がどうつながっているのかわかったところだけでも書いておけばよかったなあ。同じ人物でも呼び方が違っているのとかもあるし。そうしたぼんやりとした曖昧にしかつながりを把握していない状態でも面白く感じることができるのはすごい。下巻も早速読み始めよう、でもちびちびとしか読んでいないからいつ読み終えられるのかはわからないけど。