饗宴
- 作者: プラトン,久保勉
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/12
- メディア: 文庫
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内容(「BOOK」データベースより)
原題の「シンポシオン」とは「一緒に飲む」というほどの意味。一堂に会した人々がワインの杯を重ねつつ次々にエロス(愛)讃美の演説を試みる。最後に立ったソクラテスが、エロスは肉体の美から精神の美、さらには美そのものへの渇望すなわちフィロソフィア(知恵の愛)にまで高まると説く。さながら1篇の戯曲を思わせるプラトン対話篇中の白眉。
『ソクラテス(と彼は答える)、僕は貴方に反対することができません、あなたの仰っしゃる通りでしょう。』
『いや、むしろ真理に対しては(とソクラテスはいう)、親愛なるアガトンよ、君は反対することができないのだよ、ソクラテスに反対するのは何もむずかしいことではないのだから。』(P110)
プラトン、有名だけど有名すぎてなかなか読もうという気になれずにようやくはじめて読む。序説が35ページもあるうえに難しくて、読むのが面倒で挫折しそうになる。けど、本文は紀元前の作品とは思えないほど読みやすい、古い作品はやたら詩的で晦渋という先入観があったので吃驚した。主張はなんとなくで読んじゃったけど、主張よりも登場する人たちの会話の方が面白いなあ。アルキビヤテスが出てきてから最後まで面白いなあ、いきなり身近な男色(愛者、愛人)的な話になって(それまでのはなんとなく観念上のことと思っていたので、ソクラテスと恋人のことが語られて)驚いた。