王国 その1 アンドロメダ・ハイツ

王国〈その1〉アンドロメダ・ハイツ (新潮文庫)

王国〈その1〉アンドロメダ・ハイツ (新潮文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
「あんたは山を降りなさい」。薬草のお茶で身体の悪い人を癒してきた祖母の言葉が、十八歳になった雫石の人生を動かす。自給自足の山の生活を離れ、慣れぬ都会で待っていたのは、目の不自由な占い師の男・楓との運命的な出会い。そしてサボテンが縁を結んだ野林真一郎との、不倫の恋だった。大きな愛情の輪に包まれた、特別な力を受け継ぐ女の子の物語。ライフワーク長編の幕が開く。

よしもとさんの小説読むの2冊目。以前読んだときも思ったけどすごく読みやすい、とりあえず『王国』三部作はなるべくなら今月中に、最低でも今年中には読み終えたい。どうも最近オカルトっぽいものが受け入れられなくなってきているので、そこで少し引っかかってしまったけど、面白かった。

 少し前は失ったものを嘆いてばかりいたが、今となってはなにも失ってなんかいなかったことがなんとなくわかる。
 自分の体と心と魂、それを持ってさえいれば、欠けるものはいつでもなにひとつなくて、どこにいようと同じ分量の何かがちゃんと目の前にあるようなしくみになっているのだ。』(P16-17)
『「ねぇ、楓、どうしていつもどんな小さい子どもからも情け容赦なくお金を受け取るのに、今は断ったの?」
(P55)

情け容赦なく、で笑った。