異端の数ゼロ

異端の数ゼロ――数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

異端の数ゼロ――数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

内容紹介
この数字がすべてを狂わせる――。バビロニアに生まれ、以来、無を拒絶するアリストテレス哲学を転覆させ、神の存在を脅かすが故にキリスト教会を震撼させ、今日なおコンピュータ・システムに潜む時限爆弾として技術者をおののかせるゼロ。この数字がもたらす無と無限は、いかに人類の営みを揺さぶり続け、文明を琢磨したのか? 数学・物理学・天文学から宗教・哲学までを駆け巡る、一気読み必至の極上ポピュラー・サイエンス

フェルマーの最終定理』を読んだあと、数学を舞台にした物語がもうちょっと読みたくて買ったがずっと積みっぱなしだったけどようやく読了、と入っても数式出ているところはほとんど読み飛ばしながら読んでしまったけど。
バビロニアでは、二本の傾いたくさびを用いて何もないスペースを表現していて、そこからインドの数学者がバビロニアの数体系(ゼロについて)を知った、というのはインドがゼロの概念の発祥と思っていたので意外だった。
ギリシア人とローマ人は天体運行表を作るのに、バビロニア式を用いるなど、ゼロの利便性を知っていたのにゼロを拒絶したのは、アリストテレス哲学と衝突したから。哲学があるから有用な体系を拒絶したというのはなんとなく面白いな。