隠居の日向ぼっこ

隠居の日向ぼっこ (新潮文庫)

隠居の日向ぼっこ (新潮文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
はこぜん、きせる、ふさようじ、ひごのかみ、はいちょう、へちま、ねんねこ、おひつ、ゆたんぽ、はたき…。江戸から昭和の暮らしを彩った道具たち。いまも伝わる暮らしの小物や、懐かしい想い出のまつわる、いまはなき品々。四季折々の風物でもある「もの」たちを、愛情こめて綴る。人肌のぬくもりを感じさせる味わい深い文章を、漫画作品から選んで添えた挿画とともに楽しめるエッセイ。

現在ではあまり見かけなくなった小物たちについてのエッセイ。ページ数が少なく、イラストも多いのであっという間に読むことができた。一つのエッセイが3ページ程度と短く、エッセイごとに一枚イラストがあるのでイメージし易い。「煙草には邪気を払う力があると信じられ、広く世に受け入れられた」(P34)、ふうん。『その昔、江戸では、耳掻きさえ、一つの生業となっていた。』耳かき店、なんとなく最近できた色物かと思っていたら、江戸にも。まあ、『おおむね穀潰しの果てのような、うらぶれたおっさんが相場らしい』ということではあるが。