お江戸でござる

お江戸でござる (新潮文庫)

お江戸でござる (新潮文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
日本中にお江戸ブームを浸透させたNHK人気番組の名物コーナーがついに文庫化。「瓦版」「浮世絵」「花魁」「戯作者」「相撲」「花見」「蕎麦」「豆腐」「富くじ」など、江戸の庶民の日常が手に取るようにわかる。日向子さんは、江戸の街角からこちらに語りかけているからだ。幽霊と共に生き、娯楽を愛し、かかあ天下だった世界都市・お江戸の最良のハンドブック。著者イラスト入り。


杉浦さんの江戸のエッセイは面白くて、最近よく読んでいる。テレビ番組の方は見たことないけど、読了。
『ゾウは天皇に拝謁させるために「従四位」の位を授けられました。長崎から運ぶ手立てがないので、ゾウは自力で江戸まで歩きました。』(P31)「自力で」に笑った。
『今の形に近い羊羹ができたのは寛政年間で、それ以前は、蒸し羊羹しかありませんでした。』(P68)蒸し羊羹ってどんなんだろう。
『狐にあったときは、眉毛の本数を読まれると化かされるので、急いで眉毛を隠したり、眉に唾をつけたりして本数を読ませないようにしまう。』まゆつばってこの化かされないようにするためのことからか。
『字は崩し字の「草書」から教えます。その次が「行書」で、最後が「楷書」です。ですから、庶民で楷書を読み書きできる者はほんのわずかです。江戸庶民はにょろにょろの字は読めても、きっちり書かれているとわかりません。』(P246)面白いけど、不思議。あと寺小屋の『公でも私でも授業料はあってないようなもので「出世払い」が普通でした』(P248)というのは何でそう多くの人が当時そうした教育機関に行けていたんだろうと少し疑問だったから、それで納得。