日本史はこんなに面白い

日本史はこんなに面白い (文春文庫)

日本史はこんなに面白い (文春文庫)


内容(「BOOK」データベースより)
聖徳太子の人物像を巡り侃侃諤諤、昭和天皇の祈りについて白熱談義。半藤一利が、その道の碩学16人と日本史に纒わる話を縦横無尽に語り合う対談集。蝦夷は出雲出身?芭蕉に男色の句?ハル・ノートの解釈には誤解があった?など大胆仮説から驚きのエピソードまで盛り沢山。愉快な遣り取りに、歴史がますます楽しくなる一冊。

対談集。半藤さんの本は『昭和史』を早く読まなくてはと思っているけど、結局こちらの方をさきに読み終えてしまった。
高橋克彦さんとの対談を読んで、東北史に関してすごい興味わいてきたなあ、なんか良い本ないか探してみようかな。
文字の資料がないのに、町史、村史の「ふるさとの伝承」から『それぞれにはそれぞれの町や村のことしか書いていない。そこで、それらを年代や日にち順に並べてみたら見事につながりました。ある町の資料に「貞任はここに城を築き、源義家軍と戦って逃げた」とあると、隣町の資料には「にげてきた貞任が……」というような具合に』(P39)というエピソードは、そんなに昔のことが文字にして一つの物語になっていなくても伝承で伝わるというのがすごいなあ。
井沢元彦さんの『信長が浄土宗と法華宗にお互いの教義について公開討論させた「安土宗論」というのがあるんです。当時は宗派間の勢力争いが盛んで、浄土宗と法華宗法華宗の間にも論争が起こっていた。討論の結果は浄土宗の勝ちで、これについて多くの歴史学者が「あれは信長が法華宗をおとしめるために仕組んだ八百長だった」という。でも、当時の宗教団体はみな武装集団だから、そんなことをすれば法華宗が蜂起して大反乱になりかねない。それに、信長の一代記を記した『信長公記』という一級資料によれば、法華宗はその討論で、浄土宗側が問いかけた釈迦の教えを表す言葉の意味を説明できなかったから負けた、ということがわかる。しかもその後、自分たちの負けを認める詫状文を信長に渡しているんです』というのは「日本仏教史―思想史としてのアプローチ」でも「計画的」と書かれていたので意外だった。