日中戦争 殲滅戦から消耗戦へ

日中戦争 殲滅戦から消耗戦へ (講談社現代新書)

日中戦争 殲滅戦から消耗戦へ (講談社現代新書)

内容紹介
近代日本にとって最大最悪の戦争だった日中戦争
軍事力で圧倒する日本が弱敵・中国に惨敗したのはなぜだったのか?
両国の戦略の違い、その根底にある国民性の違いまで分析し、
これからの日中関係を見通す決定版!
新史料『検閲月報』から、両国民の封印された「肉声」の数々も紹介。

目次より

満洲事変がもたらした誤算
●起きるべくして起きた南京虐殺
●殲滅戦略戦争の破綻
蒋介石の消耗戦略はなぜ生まれたか
●欺かれた汪兆銘
●二つのパワー
●『検閲月報』が明かす両国民の本音 など

ひたすら日本の政治的・軍事的な愚劣な行動を読むのは辛いなあ。
真珠湾攻撃以前、すでに日本はかつてない長期で大規模な戦争に突入していたという認識は、まだまだ不足しているように感じられてならないのだ』(P4)確かに、太平洋戦争以前からすでに日中戦争で泥沼にはまっていたとか、そういう感じは薄いなあ。
中国が新聞で海外に上手くアピールしていたのに対して、日本の新聞は国内の戦意高揚のため国内へのアピールのみで海外に対してのアピールが出来ていなかった、というのは、日本は戦争という国際問題を国内問題みたく考えていたのかな。
最後の1/3ほどは郵便検閲の実例を見ながら、前線の兵士や中国の民衆の手紙から当時の状況を説明している。