史記を語る

史記を語る (岩波文庫)

史記を語る (岩波文庫)

史記を語る (岩波新書)

史記を語る (岩波新書)

出版社/著者からの内容紹介
司馬遷の著した中国最初の正史『史記』は,古代中国の社会と人間を生きいきと描きだし,日本でも広く親しまれてきた.中国史研究に多大な業績をのこした著者が60年にわたる『史記』研究にもとづき,『史記』の成り立ちと構造の全容の解明を試みた名著.『史記』の世界への格好の入門書.「『史記』の中の女性」を併収.(解説=吉川忠夫) --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
司馬遷の著した『史記』は中国で初めての「正史」である。現代語訳もあり、文学作品の題材にも取りあげられて、専門の研究者以外にも広く読まれてきた。著者は60余年におよぶ『史記』との関わりを振り返り、中国古代の社会と人間を生き生きと描き出した『史記』の世界へ読者を導き入れる。

読んだのは新書版の方。
史記を読んだことがなかったし、古代史も詳しくないからちょっと面白さを十分理解できてないなあ。史記、読んだほうがよいのかな。何故か中公クラシックスの「史記 列伝II」だけあるからそれ読もうかな。
『北方遊牧民族が騎馬戦術を採用したのはそれほど古いことでなく、恐らく戦国時代に入ってから、西アジアのスキタイ民族から学んだものと思われる。』(P51-52)スキタイから学んだというのには、へぇ〜。
『彼はむしろローマ帝国と構造の類似した漢帝国の、いわば古代的市民社会に生きた自由人であり、自由思想、自由経済の中に成長した。だから彼の弁証法は無味無臭であり、純客観的に権力、財力の動きを分析した。彼の本紀は時間の推移の裏に流れる力学を突きとめようとしただけである。』(P56-57)「弁証法は無味無臭」だから、今でも広く読まれているのかな。
『もし史記がなければ、どれほど多くの史実が泯滅してしまったであろうか。』(P88)古代だから資料としても貴重で、しかも面白い(らしい)というのはすごいよね。
『何でも書いてあることならば直ぐに信じこむ司馬遷の態度』(P103)『このように二人が一組となり、対話舞踊によって劇を演じたり、議論を進行させたりする娯楽を、当時遇語と称し、宮廷や、人民の集まる市場において公開された。司馬遷は屢~この遇語劇を史料として取り入れ、史記の記述に使っているのである。』(P169)など、信憑性の低いものも含まれている。
『明らかに後人が加筆したのであって、この例に見られるように、史記の各所になんの断りもなく改竄の加えられたことがあるについては疑うべからざる証拠がある。』(P137)改竄(加筆)も後世にあったらしい。