謎の七支刀

六本の枝刀を左右に出した特異な刀=七支刀に象嵌された61文字。著者は文献学手法を駆使して全文解読に成功、さらに古代東亜の動的連関に説き及ぶ。
(中央公論新社 ホーム > 文庫 > 謎の七支刀より)

読んだのは新書版。
歴史謎とき、古代文書解読。「準外交文書」としての七支刀。錆を落として文字を見やすくするため、鑢や小刀で何回も削られその部分が凹んでしまった。って今ならエックス線があるから、もったいないと思ってしまうなあ。『つまり、考古学という学問は、最初から矛盾を内蔵した学問なのである。破壊しなければ研究ができず、研究のためには破壊しなければならぬ。』(P147)からしょうがないことかもしれないけれど。
『獲加多支鹵大王の大王は尊称である。どういうものか日本では、大王が公式の称号のように考えられているが、そんな事実はなかったこと』(P136)今まで普通に称号だと思っていたけどそうなんだ。
『第五章 五世紀東亜の形勢』こうして東アジア史の中から読んだほうが流れわかり易いな日本古代史。