雍正帝―中国の独裁君主

雍正帝―中国の独裁君主 (中公文庫)

雍正帝―中国の独裁君主 (中公文庫)

雍正帝―中国の独裁君主 (岩波新書 青版 (29))

雍正帝―中国の独裁君主 (岩波新書 青版 (29))

内容(「BOOK」データベースより)
官吏が本当に政治を真面目にやろうと思えば、おたがいの交際などに費す時間も費用も出る筈がない。ところが…(「本文」より)。文武の功績多かった康煕帝61年の治世を引継いだ第五代雍正帝は、独得の奏摺政治をあみだし中国の独裁君主として徹底した独裁体制を確立してゆく。

読んだのは新書版。
こういうひとりの人に焦点を当てた歴史書は読みやすくて好きだな。ただ、第1刷が50年だから、旧漢字を使っていてそれがちょっと読みづらかった。
雍正帝乾隆帝の父。
『恐らく数千年の伝統を有する中国の独裁政治の最後の完成者でありまた実行者であった』(P3)
『昔から天子は一日に万機、すなわち日に一万回の用事があるといわれるが、真面目に政治をやろうとすれば目のまわるほど忙しいに相違ない。微塵も誤魔化しをせず、一事もなげやりにせず、全力をあげてがっちりと政治と取り組んだ雍正帝の真剣さは正に頭の下がる思いがする。恐らくこれほど良心的な帝王は、中国の歴史においてはもちろん、他国の歴史にもその比を見ないことであろう。』(P90)雍正帝、今まで知らなかったけど評価高いなあ。実際驚嘆するほどすごいけど。ワーカーホリック。
『一方地方官は決して棒給額だけでは満足していない。勝手に人民から取り立てた租税賦課税の中から棒給の千倍(!)以上は着服している。』(P101)いくら棒給が役割に比べてとても低いとはいえ千倍はひどいなあ(笑)。