日本の深層 縄文・蝦夷文化を探る
- 作者: 梅原猛
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1994/06/17
- メディア: 文庫
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内容(「BOOK」データベースより)
かつて東北は文化の先進地だった。亀ケ岡式土器に代表されるように、繊細で深みのある高度な縄文文化が栄えたのである。著者は東北各地を旅しながら、宮沢賢治など詩人たちの心の深層に耳を傾け、また土着の信仰や祭りの習俗・アイヌの言葉に、日本人の隠された魂の秘密を探り当てる。原日本文化論の新たな出発点を印す意欲作。
「日本の歴史をよみなおす(全)」で必ずしも「西が先進で東が後進」ということではないということは知っていたけど、それでも「つまり、いまから三千年前から二千年前くらいまで、東北、特に津軽の地には日本最高の狩猟採集文化があった」(P22)東北に当時最高法の文化があったということは驚き。すごいイメージの転換、東北史にますます興味がわいてくるなあ。
東北の習俗とアイヌとの関連性からみた日本(縄文)の宗教、原信仰をみると、案外神道、仏教の中にそうしたものが含まれているようで、日本の原宗教について興味がわいてくるなあ。論証的ではないけど、その分イメージがもろに伝わってきて、今までの日本の歴史のイメージが塗り替えられる。実際、どの程度まで推論、仮説があたっているのかわからないけど、この歴史観は魅力的だなあ。