東と西の語る日本の歴史

東と西の語る日本の歴史 (講談社学術文庫)

東と西の語る日本の歴史 (講談社学術文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
日本人は同じ言語・人種からなるという単一民族説にとらわれすぎていないか。本書は、日本列島の東と西に生きた人々の生活や文化に見られる差異が歴史にどんな作用を及ぼしてきたかを考察し、考古学をはじめ社会・民俗・文化人類等の諸学に拠りながら、通説化した日本史像を根本から見直した野心的な論考である。魅力的に中世像を提示して日本の歴史学界に新風を吹き込んだ網野史学の代表作の一つ。

先月読んだ「日本の歴史をよみなおす(全)」が読みやすく、すごく興味深かったので、今年は網野さんの本を読もうと思って、早速読了。
東国、西国の対立軸。東国史、今まで読んだことなかったけどすごい面白いし魅力的だ。「日本の深層 縄文・蝦夷文化を探る」の東北史など、西国以外からの歴史の本はすごい面白いので、これから他の地域の歴史の本読んでいこう。
縄文時代中期の、北海道をのぞく日本列島の人口は約二十六万人余、その大部分は東北南部から関東、中部地方内陸部に分布しており、西日本はわずかに二万人程度、全人口の七・七パーセントにすぎないという。』(P61)縄文時代、そんなに東と西に人口差があったのか。
『東国「民族」史のなかにおいてみれば、最初の国家の成立ということになろう。』(P104)平将門についてそういう風に捉えたことがなかったから新鮮。


『東国の独自性を主張する史家が、相田二郎氏、石母田正氏、佐藤進一氏、石井進氏、とすべて東の出身であることも――かくいう私自身もふくめて――偶然ではなかろう』(P310)この人たちの本も、手ごろなものがあったら近いうち読んでみようかな。