女王国の城

女王国の城 上 (創元推理文庫)

女王国の城 上 (創元推理文庫)

女王国の城 下 (創元推理文庫)

女王国の城 下 (創元推理文庫)

内容紹介
大学に顔を見せない江神を追って信州入りした英都大学推理研の面々は、女王が統べる〈城〉で連続殺人事件に遭遇する。第8回本格ミステリ大賞に輝いた、江神シリーズ第4長編。
内容(「BOOK」データベースより)
ちょっと遠出するかもしれん。そう言ってキャンパスに姿を見せなくなった、われら英都大学推理小説研究会の部長、江神さん。向かった先は“女王”が統べる聖地らしい。場所が場所だけに心配が募る。週刊誌の記事で下調べをし、借りた車で駆けつける―奇しくも半年前と同じ図式で、僕たちは神倉に“入国”を果たした。部長はここにいるのだろうか、いるとしたらどんな理由で―。

冒頭、バブルという言葉が頻出していてそういえばこの小説シリーズの時代設定はそのころかあ、と思い出した。それにしても、バブルという言葉はバブルがはじけた後から名づけられたのではなく最中でもバブルという語が用いられていたということははじめて知った。
最後まで、教会側の思惑がわからなくて不気味な感じだったので、最後に真相が明らかになったときには本当に驚いた。現在の事件が十一年前の事件とどうつながるかも江神さんの推理を聞くまでは、さっぱりわからなかった。わからないところが多すぎて考えてみる気にもならなかったが、それでも十二章の虜囚からの脱出劇面白かったし、まったく山勘でも当たりをつけていない状態から真相が明かされていくのを聞くのも楽しめた。