奥州藤原氏 平泉の栄華百年

奥州藤原氏―平泉の栄華百年 (中公新書)

奥州藤原氏―平泉の栄華百年 (中公新書)

内容(「BOOK」データベースより)
奥州藤原氏は平泉を拠点として平安末期の東北地方に君臨した。産金をもとに財をなし、京風の絢爛たる仏教文化を花開かせた。初代清衡から三代秀衡へ、支配権はどのように伸長したのか。秀衡の死後わずか二年で源頼朝に攻め滅ぼされたのはなぜか。京都との関わりを軸に、百年の歴史を多角的に検証。併せて、中尊寺金色堂に眠る歴代のミイラの学術調査結果も紹介する。『蝦夷』『蝦夷の末裔』に続く東北古代史三部作完結編。

奥州藤原氏研究の大本となる史料(それは前述したがごとく「かれら自身の手になる史料をいう」)はきわめて不足しており、研究上の隘路となっているのである。そうなったおもな原因は、などと今更声を大にしていっても仕様がないが、奥州藤原氏が自分の手で自分の歴史を抹殺したというほかにいいようのない行動――平泉館放火――をとったことにある。』(P31)うーん、もったいない。だから奥州藤原氏みたいな大きな勢力のこともよくわからなくなってしまっているのか。
奥州藤原氏は紛れもなく藤原鎌足の末裔であることは確実視されるに至っている。』(P249)どっちかわかんないと思っていたけど、確実に「藤原鎌足の末裔」なのか。
『清衡や基衡が王地を横領したとか一国を横領したなどと、しばしば語られるが、国司の威の及ばない地域ならその通りであったろうが、威の及ぶ場合では事はそう単純ではないという点に留意したい。表現どおり、陸奥一国が丸ごと完全に奥州藤原氏の思いのままになる私領になったなどとの即断は禁物であるのではなかろうか』(P108)威の及ばないところでは、本州北端まで支配。