ティファニーで朝食を

ティファニーで朝食を (新潮文庫)

ティファニーで朝食を (新潮文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
第二次大戦下のニューヨークで、居並びセレブの求愛をさらりとかわし、社交界を自在に泳ぐ新人女優ホリー・ゴライトリー。気まぐれで可憐、そして天真爛漫な階下の住人に近づきたい、駆け出し小説家の僕の部屋の呼び鈴を、夜更けに鳴らしたのは他ならぬホリーだった…。表題作ほか、端正な文体と魅力あふれる人物造形で著者の名声を不動のものにした作品集を、清新な新訳でおくる。

村上春樹さん訳で話題になっていたものだけどようやく読了。短編集、だけど表題作は150ページ越えの中編。
「訳者あとがき」で『ホリー・ゴライトリーはトルーマン・カポーティが、そのフィクションの中で創り上げた。おそらくはもっとも魅力的なキャラクターであり、それを一人の女優の姿に簡単に同化してしまうというのは(当時のオードリー・ヘップバーンが魅力的であることはさておいて)いかにももったいない話であると僕は考える。』(P266)とあるのを見て、この訳者あとがきを読んでそういえば映画も有名な作品だったなとようやく思い出したほどなので、特に先入観なく読めたのは良かったのかな。
でもこの短編集では「クリスマスの思い出」がいちばん面白かった。面白い小説読んでいると背筋がゾクゾクすることあるけど、「クリスマスの思い出」では久々にそうした感覚が味わえた。