鑑真
- 作者: 東野治之
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: 新書
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内容(「BOOK」データベースより)
五度の失敗の末に、ようやく来日を果たした苦心談で知られる鑑真。しかし、彼がどのような学問を修めていたか、何を実現するために日本へ来たのか、また結果として日本の仏教に何をもたらしたかについては、これまであまり語られてこなかった。日本の仏教受容という大きな流れのなかに鑑真の存在を位置づける、画期的な試み。
名前と何度もの渡航計画の末日本に来たというくらいしか知らなかったな。思ってた以上に読みやすかった。戒律、鑑真が伝えに来ても後世日本ではろくに戒律機能しなかったね。鑑真の影響は、最澄が日本で天台宗を開くきっかけとなった書物を日本に持ってきたのが一番大きいのかな?
『壇上に仏像が安置されたり、壇中に舎利が埋められたりするのかといえば、授戒にはもともと釈迦の前で、戒を守るよう誓わせる意味があったからです。インドで行われた塔(ストゥーパ)での授戒が、まさにそうでした。』(P98)
『日本では、たとえ不完全にせよ、治外法権的な性格を持つ僧団は成立しなかったのです。』(P172)中世での寺社勢力は、戒をもたなかったから大きな権力ではあっても僧団でないということか。