第二の銃声

内容(「BOOK」データベースより)
高名な探偵作家ヒルヤードの邸で、ゲストを招いて行われた推理劇。だが、被害者役を演じるスコット=デイヴィスは、二発の銃声ののち本物の死体となって発見された。事件発生時の状況から殺人の嫌疑を掛けられたピンカートンは、素人探偵シェリンガムに助けを求める。二転三転する論証の果てに明かされる驚愕の真相。探偵小説の可能性を追求し、時代を超えて高評価をを得た傑作。

「どうも、殺人犯の地位を争奪する競争のようですな」(P348)

ちょうど物語の真ん中ほどで探偵のシェリンガムが出てくるまでがちょっと読むのがしんどかったけど、それ以降は楽しめた。語り手の滑稽さは個人的にはたいていは読んでいても気がつかないんだけど、この本の語り手ピンカートンは一人称でも滑稽さがにじみ出てくるキャラだな。エリック、死んでも誰も悲しんでいないのは逆にすごい、もう読んでいて犯人のこととかどうでも良くなってしまうもんなあ。最後の自白合戦は面白かった。ラストの真相はこれが80年前の作品かと驚いた。