小説家の作り方

小説家の作り方 (メディアワークス文庫)

小説家の作り方 (メディアワークス文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
「小説の書き方を教えていただけませんでしょうか。私は、この世で一番面白い小説のアイデアを閃いてしまったのです―」。駆け出しの作家・物実のもとに初めて来たファンレター。それは小説執筆指南の依頼だった。出向いた喫茶店にいたのは、世間知らずでどこかズレている女性・紫。先のファンレター以外全く文章を書いたことがないという紫に、物実は「小説の書き方」を指導していくが―。野崎まどが放つ渾身のミステリー・ノベル改め「ノベル・ミステリー」登場。

軽妙な会話はいつも道理楽しいんだけど、笑えるような台詞回しは若干少なめ(?それとも単に野崎さんの文体になれただけか)。いつも通りの感じの物語だから、そろそろ野崎さんの別な雰囲気の小説も読んでみたいな。まあ、そうなったらそうなったでこうした感じの作品も恋しくなるんだろうけど。
『本日の講義では≪ガジェット≫と≪モチーフ≫について話した。紫さんは、最初はモチーフの扱い方に戸惑い、ガジェットをちりばめるバランスを考えすぎて頭から煙を上げていた。しかし授業が終わるころには、横溝正史作品に登場するアイテムの意味、ダン・ブラウンのモチーフのセレクトと効果を見事なまでに理解していた。』(P86)紫さん、天才過ぎて引くわあ(笑)と思っていたら、結末をみたら、さもありん。そんな彼女が師事しようと思った主人公もすごいよね。