ゾロアスター教 三五〇〇年の歴史

ゾロアスター教 三五〇〇年の歴史 (講談社学術文庫)

内容紹介
謎多き世界最古の啓示宗教への本格的な入門書
三五〇〇年前、啓示による人類最古の宗教が中央アジアに誕生した。ゾロアスター教である。至高の創造主アフラ・マズダーを崇拝、火と水の祭儀、善悪二元論、救世主信仰を特徴とする。その思想は、キリスト教、イスラム教、仏教へと流れ込んだ。謎に満ちたゾロアスター教を、その誕生から現代インドに残るパールシーまで包括的に論じた格好の入門書。
ゾロアスターの独創的な思想は、いろいろな形で、世界の三大宗教たるキリスト教、イスラム教、仏教に大きな影響を与えた。天国と地獄、最後の審判、救世主信仰は、ユダヤ教の中で成長し、キリスト教に明瞭な結実をみた。イスラム教は、特にイラン人に広まった一派であるイスラム教シーア派に特徴的な救世主信仰は、イランのゾロアスター教徒の伝統から生まれたと思われる。仏教も、弥勒信仰の発展はその救世主信仰に負っているといえよう。(「訳者まえがき」より)

入門書、用語とかいちいち後ろに行ったり来たりしながらだと前後が良くわかんなくなったりして、ぶつ切りにして読みすぎて最初の方どういう内容だったかほとんど覚えてないなあ、後半からはある程度用語は気にせずニュアンスで読んでたけどそっちの方が読みやすかった。前半が覚えていないのは、新刊のときに買ってでちびちび読んだり読まなかったりを繰り返して1/4程度読んだところで半年以上放置していたということもあるけど。
世界最古の啓示によって開かれた世界宗教。救世主信仰、三大宗教へ影響（仏教は弥勒信仰）。最後の審判など、『直接的にも間接的にも他のどの宗教よりも人類に大きな影響を与えてきた。』（P27）
『歴史に記録された時点ですでに、ゾロアスターがもっていた世界宗教としてのすぐれた見識はおおかた失われ、彼の宗教はイラン人に固有のものとみなされるようになっていた』（P105）歴史に出てくる時点でそれだけ変質していて、さらにそれから信者の数を減らしながらも現在まで失われていないというのがすごいな。