半熟作家と“文学少女”な編集者


内容紹介
”文学少女”シリーズ、最後の物語。
新しい担当編集の天野遠子嬢は、清楚な美人だった。――が、いきなり本棚の前でグルメ批評を始めるわ、ほんわかにこにこと容赦なく原稿を修正してくるわ、売れっ子高校生作家たるオレが、どうしてこうも振り回される!? そんな時届いた脅迫状じみたファンレター。そこにはまだ刊行される前の小説の内容が書かれて……って差出人は、まさか!? 高校生作家雀宮快斗とその担当編集者遠子が織りなす、物語や文学を食べちゃうくらい愛する”文学少女”の、最後の物語。

ついにシリーズ最終巻。
主人公の高校生作家・雀宮快斗、やたらと井上ミウと比較されているけど、デビュー作は本来なら落選していたはずだった(よね?)からそんなに異常にレベルが高いものでもないような。
暗い話が無く、明るいテンポで展開していってくれたので気持ちよく読み終えることができた。主人公の性格のおかげでそういう話になっているということもあるので、雀宮くんにも感謝。しかし、井上心葉の台詞がいっさい無いというのは淋しい、少しくらいだして欲しかったよ、そして遠子先輩との絡みがちょっとでもいいから見たかった。
しかし井上ミウの著作、一冊で一千万部、五百万部ってシリーズじゃないのに異常な数値だ。もう既に国民的作家だといっていいんじゃないか。心葉、がんばんったんだねえ。
ラスト、そうやって「”文学少女”見習い」をつなげてくると思わなかったので驚いた。