北条政子

北条政子 (文春文庫)

北条政子 (文春文庫)


内容(「BOOK」データベースより)
伊豆の豪族北条時政の娘に生まれ、流人源頼朝に遅い恋をした政子。やがて夫は平家への反旗をあげる。源平の合線、鎌倉幕府開設―御台所と呼ばれるようになっても、政子は己の愛憎の深さに思い悩むひとりの女だった。歴史の激流にもまれつつ乱世を生きぬいた女の人生の哀歓を描いた、永井文学の代表的歴史長篇。

600ページもあるから、ちょっと勝手から実際に読み始めるまで時間がかかった。どうも最近は、400ページを超える本を読もうとなるとどうも億劫に感じてしまう。
北条三郎、今までどんな人なのかまったく想像できなかったが、政子のいい兄だね、まあ創作なんだろうけど。
頼家、悪く書かれているなあ。というか頼家が蹴鞠にはまっているのに北条時政が不快感を感じているのは、「やる夫 鎌倉」で北条氏はかなり蹴鞠好きの一族だったと読んだのでちょっとあれって思う。甘縄襲撃は「やる夫 鎌倉」では安達景盛の自作自演という解釈だったから、こんな話あったっけと最初よく分からなかった。
保子、「炎環」を読んだときはもっと得体の知れないような人だと思っていたけどこの本では出番が少ないのもあるけど案外人間味があるなあ。
解説で、この当時の社会の乳母の重要性をこの本で描いたが、そののちに歴史学者も認めるようになり、実朝を殺したのは北条氏という説を覆したというエピソードはすごいなあ。