義経 下
- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/02/10
- メディア: 文庫
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内容(「BOOK」データベースより)
義経は華やかに歴史に登場する。木曽義仲を京から駆逐し、続いて平家を相手に転戦し、一ノ谷で、屋島で、壇ノ浦で潰滅させる…その得意の絶頂期に、既に破滅が忍びよっていた。彼は軍事的には天才であったが、あわれなほど政治感覚がないため、鎌倉幕府の運営に苦慮する頼朝にとって毒物以外の何物でもなくなっていた。
シリーズ物は別として、このくらいの長さ(上下1000ページ)の小説を読むの久しぶりだなあ。
義経、藤原秀衡や後白河法皇と権力者に愛されるなあ。
義仲、征夷大将軍を貰って喜んでいるけど、当時そんなに特別な意味が無かったんでは。単に「大将軍」だから、ということでの喜びか?
『「戦術」
という、こういう抽象的思考が手柄として評価できるであろうか。手柄はあくまでも一番駆け、一番首、兜首といった目にみえる物で測られねばならない。それしか量る方法がなく、自然、
――九郎御曹司には戦功は無い。
という見方が常識―後世から見ればおよそこっけいな常識であるにせよ―になっていた。』(P137-138)
『義経は戦場において奇跡を演ずる天才をもっていることであった。さらにこまることにはその天才がたびたびの戦功で実証され、たれでも彼の天才性を知っている』(P159)義経の戦功の有無の認識どっち?
『平家人の個々に対して血のねばつくような憎悪を感じていたものではない。』(P321)でも、平家の頸を市中にさらすことを再三要求し、実際にそうしたのは君でしょ。このときよりちょっと前の話だけど。
結城七郎朝光が『これが頼朝の嫡子であるべきであった』(P429)と描かれているのはちょっと。