小説 後藤新平

小説 後藤新平―行革と都市政策の先駆者 (人物文庫)

小説 後藤新平―行革と都市政策の先駆者 (人物文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
これからの日本、こんな指導者がほしい!東北の没落平民から身を起こし、医師、行政マンを経て台湾・満鉄の経営、東京市の大改革、関東大震災からの復興―。大胆な先見性をもとに新しい政策を次々に打ち立て、行革を断行した後藤新平。無私と実行力に貫かれた生涯をいきいきと描く。

めちゃくちゃ読みやすく、久々にこんな早く小説を読めた。
「土佐の自由のどこがにせの自由なのか、教えていただきたい」と問われて、自由は生きる自由、生きるためには衛生が必要「土佐の衛生は他県に比べて劣っている」から自由じゃないという理屈は屁理屈(か又は自由という言葉の意味が常人とは違うよう)に感じるなあ。
台湾について「そもそも、ここは植民地ではない。日本の領土の一部となった。すなわち新領土というべきだ」(P98)といったり「ここは植民地です。武力による威嚇は必要です」といったりしているけど、どっちが本音?
『新平は仕事なりある特定のプロジェクトなりに生きる人間であって、組織に生きる人間ではないからである。』(P197)
関東大震災後の東京の都市計画の構想を、伊東巳代治が文句を言ってきて最初に想定した予算の十分の一に縮小してしまったというのは、なんだかなあ。