国禁 奥右筆秘帳

国禁 (講談社文庫 う 57-2 奥右筆秘帳)

国禁 (講談社文庫 う 57-2 奥右筆秘帳)

内容(「BOOK」データベースより)
天明の飢饉に苦しんだ津軽藩からの石高上げ願いに、奥右筆組頭立花併右衛門はロシアとの密貿易を疑う。国是である鎖国を破り、利権を握らんとするのは誰か。幕政の闇に触れる併右衛門を狙う者は数知れず。愛娘瑞紀が伊賀者に攫われ、護衛役の柊衛悟と救出に向かうが!?緊迫の第二弾。

冒頭、冥府防人本当なにしに来たんだよ?
『公家の娘が大名の妾となっている世じゃ。大名の姫が町人のなぐさみ者になるも不思議ではないの。』(P80)、姫・娘の使い分けで、武家と公家の力関係が見えていい。
『新式鉄砲が手に入れば、南部を滅ぼして陸奥一国を支配することも……。家光さまのお墨付きさえあれば幕府もこれを認めてくれよう。』(P109)いくら家同士中悪いって言ったって、このくらいの年代に、その考え方はないわあ。
『今ではない。今ではな。南蛮の手は印度、越などで手一杯じゃからの。だが、いずれは我が国へ侵略してくることはまちがいない』『神君家康さまは偉大なれど、唯一失敗なされたのが、島津と毛利を滅ぼさなかったこと』(P161)維新から逆算して物言っているのが丸分かりなのが萎える。
政治の部分がもうちょっと事件の規模や分量が小さいほうが、個人的には好み。