法然

法然 (講談社学術文庫)

法然 (講談社学術文庫)


出版社/著者からの内容紹介
13歳で叡山に登り30年に及ぶ南都北嶺での修行の後、無知な人びとをも救いたいという思いから、難行を捨て阿弥陀仏の本願に救いを求める称名だけを選びとった浄土宗の祖・法然上人。専修念仏により善人、悪人にかかわりなく往生できるとする法然思想の形成過程や浄土宗の成立・発展、鎌倉新興仏教の先駆者ゆえの苦難にみちた80年の生涯を鮮やかに描出。法然研究の第一人者による書き下ろし。

どうも最近読書ペースが下がっていて、この本も読み終えるまでに2週間ぐらいかかってしまった。
『叡山は寒湿論貧と表現されているように、冬の寒さはきびしく、夏は湿気がつよくて霧が深い。』(P14)『十一月のころになると、丹波高原を渡ってくる北西季節風の影響を受けて粉雪が吹き始め、一、二月のころにもなれば積雪は三十センチにも及び、それが氷点近い気温になったとき融雪がとまって根雪化し、四月ごろまで解けることはなかった』(P15)比叡山って、そんなに厳しい環境にあるところだったのか。知らなかった。
『『選択本願念仏集』を撰述した建久九年(一一九八)こそ開宗の年と見てよいのではあるまいか、といっている(『日本浄土教成立過程の研究』)』(P100)案外遅い、『平家物語』で登場していたりするから既にそのころ改宗しているのかな?と今まではなんとなくそう思っていたよ。源平のころは、まだ専修念仏者ではあるが改宗はしていないのか。
法然が宗派を新たにつくるときに色々もめているのを見たら。考えたら、ユダヤ・キリスト・イスラムという宗教の関係って。特殊と思っていたけど、同じ宗教内ではままあることで宗教がそれぞれ別れていると言う点で珍しいのか(といっても宗教詳しくないが)。仏教でも色々宗派が分派しているとかそういう風な感じなのかな。