影執事マルクの決断

影執事マルクの決断      (富士見ファンタジア文庫)

影執事マルクの決断     (富士見ファンタジア文庫)


内容(「BOOK」データベースより)
「服、返してください」涙の跡を拭おうともせず、マルクはセリアに訴えた。婚約相手に婚約破棄を告げに来た主・エルミナを、陰からサポートしていたハズのマルクだったが、何故か女装させられ行動しなければならなかった。敵対する契約者にまで生暖かい眼差しを向けられ、身も心も傷つきながら、それでも戦いは続く―。一方、婚約者グラハム=ヴィルヘルムの策略により軟禁状態のエルミナは、カナメの助けを借り旅館を抜け出し、自ら運命を切りひらこうとしていた。それぞれの思惑が複雑に交錯する中、マルクの下した決断とは!?―。

『しかし、弾かれてなお<クフ・リーン>はアッシュへと纏わり付く。
 さすがにマルクがここで敗北すると、自分も男子の花園という異世界を見せられるという現実を理解したのだろう。普段は見せない粘り強さを見せてくれた。』(P110)これには笑った。
ジェノバただの厨二(とファンタジーの登場人物のことを読んでいいのかわからないが)ではなかったのか!今巻はジェノバの巻といっても過言ではないほど、今まで見せなかった側面が見えた。
『医師としての見解はこれを食物ではなく毒物だと告げている。しかしジェノバの狂ってしまった味覚には、これがなによりも美味なのだ。』(P261)ジェノバ、アイシャのクッキーが食べ物ではないと理解はしているんだ。
グラハム=ヴィルヘム、子供時代に弟にやったことが悪魔的で、今後仲間になるようだけど、そのことに拒否感がでるくらい苦手。
タイトル決断だけど、恋愛方面では相変わらずまだまだ、カナメとエルミナのことを女性として好きだということを自覚しただけ、と思ったらラストに(でもエルミナに好きといったからカナメにも自覚した気持ちを告白しなくては……という展開のような気がぷんぷんするけど)。
次巻最後の短編集って、もうラスト近いのかな?