江戸の思想史

江戸の思想史―人物・方法・連環 (中公新書)

江戸の思想史―人物・方法・連環 (中公新書)

内容(「BOOK」データベースより)
荻生徂徠、安藤昌益、本居宣長平田篤胤吉田松陰―江戸時代は多くの著名な思想家を生み出した。だが、彼らの思想の中身を問われて答えられる人は多くないだろう。それでも、難解な用語の壁を越え、江戸の時代背景をつかめば、思想家たちが何と格闘したのかが見えてくる。それは、“人と人との繋がり”という、現代の私たちにも通じる問題意識である。一三のテーマを通して、刺激に満ちた江戸思想の世界を案内する。

相変わらず読書ペースがスローペースのまま、このペースで慣れてしまわないようにしたいのだけど。
この本を読んで気になった人について、そのうち読んでみよう、宮崎市定さんの本でも紀になっていたけど、加上説の富永仲基とか伊藤仁斎荻生徂徠などについて特に興味がわいた。
伊藤仁斎荻生徂徠は、東アジアの思想世界に屹立していた朱子学を批判して、独創的な思想体系を築いた儒者として有名で、同時代の中国や朝鮮にもその文名は知られていた。』(P73)儒学の盛んな中国や朝鮮に、同時代から既に知られていたというのはすごいな。この二人についての本、何か読みたくなってきた。
『『政談』がそれで、この書物ほど、江戸の社会体制のありようを根本から論じたものはない。社会観察が細かく、その細かに捉えられた瑣末とも思える事象が、いずれも社会の深部で進行している大きな変化に由来するただならぬ問題の表出であることが解明されていく。』(P99)荻生徂徠「政談」すごく読みたくなるような説明だ。古文読めないから、無理だけど、現代語訳とかあったら読んでみたいな(ま、こういうマイナーな本の現代語訳はないだろうけど)。
もののあわれ」という時の「もの」、『「もの」とは「個人的な力では変えることのできない『不可変性』を核とする」もので、「運命、動かしがたい事実、世間的な制約」などのことだとする指摘もあるが(大野晋「モノとは何か」『言語と文学の間』岩波現代文庫』(P139)「もの」がそういったものだとは知らなかった、「言語と文学の間」面白そう。