七つの夜

(なんか知らんが、アマゾンの方が出ないのでこちら。まあ、書影が無いとなんとなく寂しいから入れているだけだから、別にどっちでもいいんだが)と思っていたが、画像ちっちゃいからアマゾンの方がいいな。


内容紹介
1977年77歳の著者が七夜にわたって行った七つのテーマ――「神曲」「悪夢」「千一夜物語」「仏教」「詩について」「カバラ」「盲目について」――による講演。ボルヘスという謎、その秘密をそっと打ち明ける、格好のボルヘス入門。「悪くない。さんざん私に付きまとってきたテーマに関して、この本は、どうやら私の遺言書になりそうだ」

ボルヘス、講演集。実際に語っていた内容だから読みやすい。だが、こういうのを読む上で必要な下地がないからだろう、読んだはしからポロポロと忘れて結局どういった趣旨の内容か読み終えてもさっぱり。ただ、美学的とかいう言葉が出てきたが、そうしたのへの感受性が僕には無いということだけはわかるから、最初の神曲への賞賛もきっとはじめは注とかを読まずにそのまま読むといい(既にうろ覚え)だったかそんなこと言っていたがそれでも僕にはよさはわからんだろうなあ、ということを思うとちょっとへこむ。
千一夜物語」全部読まなくても良い、といってくれているのにはちょっとほっとする。今まで量に腰がひけて読んだことがなかったが、読んでみようかな……いつか。(以前にもボルヘス(か誰か)のなんかの著作で同じのを聞いた気がするし、そのときも思った気がするのは内緒)
『盲人(少くともこの盲人)が無いのを寂しく思うのは黒と、そしてもうひとつ、赤です。「赤と黒」は私どもにかけている色なのです。完全な闇の中で眠るのが習慣だった私にとって、この霧の世界、盲人の世界である緑がかっているかあるいは青味がかっていてほのかに明るい霧のたちこめる世界の中で眠らなければならないのは、長い間苦痛でした。』(P196)目が見えなくなったら、黒くしか感じないと思っていたが、緑がかったり青味がかったりしているというのは、常時その状態は暗闇にいるよりもはるかに辛そうだ。