のうりん 2

のうりん 2 (GA文庫)

のうりん 2 (GA文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
あたしの名前は中沢農。ここ県立田茂農林高校―『のうりん』で普通に農業やっとったんやけど…どえらーことになってまった!ほれとゆーのも、幼馴染みのコーサクを狙う転校生が!おまけに最強の刺客『四天農』まで動き出ーたもんでさあ大変!バイオ鈴木!ウッドマン林太郎!ローズ花園!マネー金上!そして…ボイン良田ッ!!あれ!?五人おるよ!?ままええわ、みんなまとめてかかって来やあ!コーたんのマッシュルームを最初に収穫するのは、このあたしなんやから!!大暴走農業学園ラブコメ第2弾!見よ!農場は紅く萌えているっ。

同時期に荒川さんの「銀の匙」がやっているから、どうしても比較しちゃうよね。もっとメジャーな分野だったら、そんな意味の無い比較をしないですんだのに。というか、農業抜きにして考えていると、ひょっとしたらずっと白鳥さんに求めていた、「らじかるエレメンツ」と同じギャグ路線で、改めて読めば案外好みなのかも。農業という真面目な問題(というかなんといおうか)を扱っているからどうしてもそこで(自分でもよく分からないなんか)違和感があってそれでどうしてもギャグとして素直に読めないだよなあ、それがよくないこととはわかっていても。
ヤギ、雑草だけでなく作物も、最初から気づけよ(笑)
『この学校は女子が七割』(P30)女子七割っておおいなあ。
ブラ不満『将来の夢は小児科の医者だからな』(P31)小児科、なんで農学校に?や、そこじゃなく、まず先に他につっこむべきとこがあるけどね(笑)
過真鳥、天才のルビがメガネということに笑った。
『「この景色の中に、自然なんてどこにもないんだよ」
「え?」
「あの田んぼも、畑も、山も道も川も、ぜーんぶ人間がつくったものなんだ」』(P253)という台詞は、つい最近「逝きし世の面影」の

『なるほど、日本は自然的条件に恵まれていたにちがいない。だが、彼らが賛美した日本の自然美は、あくまでひとつの文明の所産だったのだ。例えば松林は照葉樹林を破壊したあとの二次林であり、萩は原生林ではなくそういう二次林にともなう植物である』『欧米人が賛美した日本的景観は、深山幽谷のそれを除いて、日本人の自然との交互作用、つまりその暮らしのありかたが形成したものだ』(逝きし世の面影・P474)

という指摘に目からうろこが落ちたばっかりだったので、畑耕作、いいこといっている!という気分になった、ただ「逝きし世の面影」を読む前だったら、きっとくさい台詞だなあと思うくらいだっただろう、ということを思うと、読書によって捉え方ががらりと変わったので、そういう体験は自分の成長を感じているようで嬉しい。