僕と先輩のマジカルライフ

内容(「BOOK」データベースより)
主人公の快人がこの春合格したばかりの大学で、奇妙な事件が次々と起こる。快人はキテレツな先輩長曽我部慎太郎、幼なじみの春奈とともに、一年春夏秋冬を通しこれらの事件と向き合っていくことになるのだが…。誰もが普段隠している「ひそみ」的な感情を、はやみねマジックがすくい上げ絶妙な推理劇に仕立て上げた最新作。

読むまで、てっきり表紙の女性が先輩かと勘違いしていた。読んだのは単行本版の方。
『いろんな奴がいるよ。いちいち自分を他人と比べてたら、疲れるだけだ』(P11)が保育園のときの台詞ということに笑った。
良い子の夏休みの約束、『……こんな物を、よく今まで保管してたわね』(P98)と春奈が突っ込んでいるが、実家に置いていくのでなく、引越しをしたときにまで持ってきているのが更に謎だ。
長曽我部先輩、性格(だか思考)が変わるのが唐突でどうにも違和感が。
『会則を持ち出されたら、うなずくしかない……。』(P192)決まりがあるなら何でも守るという主人公の性格は可笑しくて笑う。
『明日、金物屋さんへ行って、ピッキングできない最新式の鍵を買ってこよう。』(P196)そんな金はあるのかよ!
うーん、キャラクターがいまいち魅力的でないし、真相にリアリティを感じないし、ストーリがあるわけでもない。太田忠司さんの「月光亭事件」を読んだ時にも似たようなことを思ったので、たぶん僕はジュブナイルミステリは面白いと思えないんだと思う。