日露戦争史 - 20世紀最初の大国間戦争

日露戦争史 - 20世紀最初の大国間戦争 (中公新書)

日露戦争史 - 20世紀最初の大国間戦争 (中公新書)

内容(「BOOK」データベースより)
日露戦争は、日本とロシアにとってはそれぞれにきわめて影響の大きい戦争であったが、客観的になかなか評価が確定していない。戦後一〇〇年にあたり、その地球規模での意味に言及する試みがなされているが、本書は、ロシア近現代史の視点も含めて、戦争の背景・経過・影響を通覧しようとするものである。双方の認識に極端な差があったことが、戦争の帰趨にどのように影響を及ぼしたかを明瞭に伝える。

思ったよりかなり読みやすい。
ウィッテ、三国干渉この人の策かよ。まあ、鉄道建設のためで、それ以上の利権獲得は反対していたけど。
満州について情報をリークして、国際社会に対するロシアに対する非難の声を高めて、交渉を有利にしようとする、清の外交上手いなあ。
日英同盟論、満韓交換論『近年では、二つの方向は必ずしも対立しておらず、むしろ相互の補完しあっていた可能性が高いとする解釈が有力になっている。相互に補完しあっていたという解釈では、対露提携論と対露不信・対英提携論の間には、両方向を同時に追求するという暗黙の了解があった可能性が高いというのである。』(P71)
『日本の軍指導部は最初の先制攻撃については周到な準備をしていたが、はじめから戦争全体の計画を立てていたわけではなかった。彼らは、当面の小さい作戦目標を達成すると、次に新しい作戦目標を立て、その実現を目指すやり方で進んだ。』(P115)「最初の先制攻撃については周到な準備」をして「戦争全体の計画」がないせいで、わりと初期からぐだぐだに、第二次世界大戦でも(詳しくないからたぶんだけど)そうだったと思うので、これは日本軍の悪癖なのかね。
『ロシア国民も、開戦からしばらくの間は熱烈に戦争を支持したのである。』(P122)以外。だけど、太平洋戦争反対だった人も、実際に開戦したら、支持にまわるというか、日記にすごく喜んでいるという心持を書いた人がいたというのは読んだことあったので、さもありん。