ガープの世界 下
- 作者: ジョンアーヴィング,筒井正明
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1988/10/28
- メディア: 文庫
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内容(「BOOK」データベースより)
結婚したガープは3編の小説を発表し幸福な毎日を送るが、妻ヘレンの浮気に端を発した自動車事故で1人の子供を喪い、ガープ夫妻も重傷を負う。女性に対する暴力をテーマに、傷ついた心と体を癒しつつ書いた小説は全米にセンセーションを巻き起こした。一躍ベストセラー作家となったガープは悲劇的結末への道を歩み出していた―。現代をコミカルに描く、アーヴィングの代表作。
ロバータ、いい人だね。
ジルシー、口調のせいで作為が強く感じてしまうが、なかなかいいキャラ。こういう具合にガープの作品の批評(感想)が紹介されているのは、読んでいて面白かった。
プー、色々と唐突だねえ。人生ってそんなもの、という意味であえてガープとのつながり希薄にしているのかね。
ガープが死んだ後の、ほかの登場人物のその後が紹介されているのはとてもいい。こうした形式の終わりかた好きだなあ。
解説の『アーヴィングのセックス偏重の、粗野で露骨な、「洗練」されていないユーモアに、最初、激しい嫌悪の上を覚えた人もいる。
どうもアーヴィングの「知性と洗練度」はそれほど偉大な芸術家のものとも思えないが、最初アーヴィングの文章に激しい嫌悪感をおぼえたその人も、読み進むうちに、作品の雰囲気に(つまり、テーマを扱う作家の洗練度に)呑みこまれ、好ましい印象のうちに、ある種の感動に至ったという。『ガープの世界』は描かれている物語の陰惨さや暗さや露骨さにもかかわらず、不思議と明るい印象をあたえる。』(P487)という部分に大体のこの作品で覚えた印象が書かれている。やっぱ、個人的にはこうしたセックスの描写はキツいわ。そこに苦手意識を持ってしまって、楽しめなかった、この作品ではセックスについてが非常に重要なテーマになっているようだからね。面白いとは思うけど、他の作品を読んでみようという気にはならない(長い作品が多いから、なおさら)。