物語 チェコの歴史
- 作者: 薩摩秀登
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/03/01
- メディア: 新書
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内容(「BOOK」データベースより)
九世紀のモラヴィア王国の誕生以来、歴史に名を現わすチェコ。栄華を誇った中世のチェコ王国は、そののち、ハプスブルク家に引き継がれ、さらに豊かな文化を生み出した。二十世紀に至って、近代的な共和国として生まれ変わったのち、第二次世界大戦後の共産化によって沈滞の時代を迎えるが、ビロード革命で再出発した。ロマンティックな景観の背後に刻印された歴史を、各時代を象徴する人物のエピソードを核に叙述する。
「あまりにも騒がしい孤独」を再読する前に、チェコの歴史について読んでみようかと思って読んだが、読んだ目的の近現代については割かれている分量が少なかったので、それはちょっと残念。まあ、読みやすかったからいいけど。
モラヴィア王国がキリスト教を導入した経緯とか、その時新しく文字を作ってスラヴ語典礼で布教した。ロシア正教がキリル文字を使っているのはこの流れか。
『チェコ人への対抗意識が、最終的にスロヴァキア人としての民族意識を高めて、人びととの間に広めたと見なすこともできるのである。共和国政府は、両者を一つの「チェコスロヴァキア国民」と呼ぶ方針を打ち出したが、現実はこれとは逆の方向へと向かっていた。』(P231-232)こうしたことで民族が分化していくというのは興味深いねえ。