世に棲む日日 1

新装版 世に棲む日日 (1) (文春文庫)

新装版 世に棲む日日 (1) (文春文庫)


出版社/著者からの内容紹介
狂気じみた、凄まじいまでの尊王攘夷運動
幕末、長州藩は突如、倒幕へと暴走した。その原点に立つ吉田松陰と弟子高杉晋作を中心に、変革期の人物群を鮮やかに描き出す長篇

読みたいと思っていたが、4冊もあるのでなかなか手に取る気になれなかったのだが、ようやく読み始めた。これを読む前に読んだ「あまりにも騒がしい孤独」が何度も同じ場所を読まなければ、意味がよく読み取れなかったので、これを読んでいるときでも無意識に既に読んだところを再び読んだり、ペースよく読み進めているので、なんか読みのがしている不安を催して同じ場所を読むことをたびたびしてしまった。その不安のせいで読みやすいのになんか読んでいて変に疲れてしまった。
杉家(松蔭の実家)、元々は城下に家があったが、松蔭の生まれる前に大火で家が焼けてから農村住まい。
松蔭の母、陪臣の出。そういえば陪臣についての話って、読んだことあまりないなあ。読んでみたいけど、そういう話を読もうと思ったら、時代小説とかそういう感じのしかなさそうなのがなあ。
杉家、元々吉田家から分かれた家系。今まで知らなかったが、そういう縁で叔父や松蔭が養子に入ったのか。
玉木文之進、下僚を叱ったり攻撃せずに、自らの行動で範を表す。苛烈な教育者だが、優しい民政家。後者の面については知らなかったので驚いた。
松蔭、色々と書いて筆まめだねえ。
長州藩の上司の風として――これは他藩には絶対みられぬところだが――若い者に対し実に甘い。特に学際や気骨のある青年に対しては寛容をとおりこして甘やかすところがあった。』(P135)松蔭の性格に大いに影響を与えた藩風。
脱藩した後の松蔭の処分『ご温情ではあるが、慣例でもあります』(P189)家学を持つ藩士に対する、特別なはからい。「慣例でも」というのは知らなかった。
松蔭、詩。感激屋だから、たしかに詩をやっているほうが似合っているかもな。
節斎の嫁とりの話、なんといえばいいのか反応に困る話だ。
松蔭が浪人として江戸に出るとき、『流行の韮山笠』(P224)とあるのにちょっと驚いた。江川が軍隊のために作ったものというイメージしかなかったので。