レクイエム

レクイエム (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

レクイエム (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

内容(「BOOK」データベースより)
七月は灼熱の昼下がり、幻覚にも似た静寂な光のなか、ひとりの男がリスボンの街をさまよい歩く。この日彼は死んでしまった友人、恋人、そして若き日の父親と出会い、過ぎ去った日々にまいもどる。タブッキ文学の原点とも言うべきリスボンを舞台にくりひろげられる生者と死者との対話、交錯する現実と幻の世界。

最近、読書メーターで記録してある期間以前に読んだ本を登録するついでに、面白かった印象があるものの、再読をしている。一度読んだ本は好きなライトノベルのシリーズをパラパラと読み流すくらいで、再読をしたことが皆無に近いほど(少なくともそうした記憶がない)だったので、これからは月に1,2冊でも再読するようにしようかなと考えている。
どこからどこまでが幻想の中の出来事かわからない、墓地に行った後、友人(タデウシュ)と会うのに繋がりが見えなかったから、そこから夢幻の中かと思っていたら、ラストを見ると最初から全部幻想の中っぽいな。
二回も話題に出てくる「帯状疱疹」には何の意味があるんだろう?ちょっと、よくわからんな。
アレンデーショ会館のボーイ長、外国人に自分が投票すべき政党を尋ねるのもこっけいだが、それに対する全く意味のないアドバイス(『心のおもむくままの選択をなさるといい』)には思わず笑みがこぼれる。
訳者あとがき、確かに読んでいる時は気にならないが、わずか半日の出来事(市内からの移動もあるのに)に23人の登場人物がいても、その繁雑さを感じさせない『巧妙な「夢かたり」』には改めて驚かされる。