三匹のおっさん

三匹のおっさん (文春文庫)

三匹のおっさん (文春文庫)


内容紹介
還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか! 定年を迎えて一念発起した剣道の達人・キヨ、経営する居酒屋も息子に任せられるようになってきた柔道の達人・シゲ、遅くできた一人娘を溺愛する町工場経営者で機械をいじらせたら右に出るものナシの頭脳派・ノリ。かつての悪ガキ三人組が結成した自警団が、痴漢、詐欺、動物虐待などご町内にはびこる悪を成敗! その活躍はやがてキヨの息子夫婦や孫の祐希、ノリの愛娘・早苗らにも影響を与えてゆき……。シリーズ第二弾『三匹のおっさん ふたたび』も刊行間近で絶好調の痛快活劇小説です!

作品全体の雰囲気が重苦しくな(世知辛くな)くて、キャラも明るいから読みやすい。
ノリさんが、スタンガンとかを普通に使っているのは、ちょっと危険すぎで、そのことで加害者が逆に訴えてきたりしないのかなとちょっと不安に思ってしまったが、あとがきに「時代劇を現代でやったらどうなるかな」ということが書いてあるのを見て、時代劇とかそういうのりだったんだ、と納得した。
「則夫・エレクトリカルパレ――――――ドッ!」って、その前がシリアスだったのにいきなり崩れるなあ(笑)
ファッションはまるっきりわからないし、興味がないけど、祐希のファッションについてのちょっとした説明、見立てを聞いていると案外楽しそうに思えてくる。
三話の詐欺の話、詐欺が明かされるまで、この年代の人らにおける複雑な恋愛の話になると思って、ちょっとどうなるか気になったので、詐欺だったので簡単な解決になってしまったのがちょっと残念。詐欺でなければ、どうなったのかちょっと気になるな(重苦しくならず、しかし真摯に愛の問題について考えさせられただろうから)。まあ、実際にそうなったら重苦しくて、見られなかったかもしれないけどさ。
『いざというときには大声を上げて、周囲の大人に助けを求めなさい、と教えられている最近の子供たちは、防犯ブザーを持たされていることも多い。だが、いざというときはそうして周囲の善意を頼るように指示しながら、平時は善意も悪意もいっしょくたに「知らない人」としてシャットアウトさせる。』(P225)改めて考えると、たしかにちょっと変だね。