剣客商売

剣客商売 (新潮文庫―剣客商売)

剣客商売 (新潮文庫―剣客商売)

出版社/著者からの内容紹介
勝ち残り生き残るたびに、人の恨みを背負わねばならぬ。それが剣客の宿命なのだ剣術ひとすじに生きる白髪頭の粋な小男・秋山小兵衛と浅黒く巌のように逞しい息子・大治郎の名コンビが、剣に命を賭けて、江戸の悪事を叩き斬る田沼意次の権勢はなやかなりし江戸中期を舞台に剣客父子の縦横の活躍を描く、吉川英治文学賞受賞の好評シリーズ第一作。全7編収録。

池波正太郎さんの本を読むのはこれがはじめて。今までは時代小説には興味がなかったけれど、最近にわかに読んでみたくなってきたので、有名なこのシリーズを読み始めたが、ちょっと驚くほどに読みやすかった。時代小説は何冊か読んだきりなのに、ちょっと苦手意識をもっていたが、そういう読まず嫌いはいけないね。歴史に興味が出てきたから面白く読めたのか、それとも今まで読んだ何冊かの時代小説は、しゃばけシリーズやら宮部みゆきさんの時代物やらで、こうしたチャンバラ小説といっては失礼かもしれないけど、いい意味でシンプルな活劇物の作品を読んだことがなかったから、単純にそうしたものが好みだったのかもしれない。
田沼が権勢を握っている時代に、一大名が江戸市中で剣士を集めて大会を開催するなんてことができたのかしら?いや、『風雲児たち』で土佐が江戸で剣術大会をやったことを誰かが嘆くシーンがあった気がしたから。
田沼意次が武術を好む、というのも妙なはなしであるが、これは事実であって、年に一度ほどは浜町の中屋敷で非公式に試合をもよおし』、「事実であって」と断言されているならたぶん史実だと思うから?ひょっとして非公式なら良かったとか、そういうことかな?
秋山家の身分って、一体どういう身分なのかよく分からないな?ま、後々明らかになるのかな。
旗本、八千石で100人の使用人を召抱える。「江戸の旗本事典」でも見たが、すごい人数だな。
「井関道場四天王」渋谷殺害の件、三冬本人が話さなくたって周りの人がいうでしょうよ。田沼本人に、まるっきり関わりのない事柄ということでもないんだし。