知っておきたい日本の神話

知っておきたい日本の神話 (角川ソフィア文庫)

知っておきたい日本の神話 (角川ソフィア文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
イザナギイザナミの国造り」「アマテラスの岩戸隠れ」「因幡の白兎」「ヤマトタケルのオロチ退治」など、子供のときから知っているはずなのに、意外にあやふやな神話の世界。誰でも知っておきたい神話を天地創造神話、古代天皇に関する神話、神社創祀の神話などに分類して紹介しました。やさしい現代語訳で複雑な神話の内容がすっきりわかるので、神々の活躍、狼藉、受難など、多岐にわたる神話の世界を心ゆくまで楽しめます。

「物語日本の歴史(上)」を読んで、ちょっと神話についてなにか読んでみようかな、と思ったので、この本を読了。こういうタイトルの本は、個人的にはなんかチープな感じがしてあまり読む気がそそらないのだが、神話のような全く知らないジャンルの本を読むときは、今度からタイトルで避けないようにしなきゃな、以前神話の本を読みたいと思って、「新版 日本神話」を読んだ(というか、見た)ときには、まるでわかんなくて、苦労したから。知らないジャンルの時は、まず安牌として、こうしたタイトルの本を読んだほうがいいということを、おそばせながらようやく分かった。
章毎のフォント、こうしたフォントは個人的にはオカルト、ホラー系のイメージがあるのでなんか変な感じ。
史実を見ながら、実際は違って〜と一々取り上げるのはちょっと野暮な気がするなあ。なんか、神話を事実と勘違いするのを防ぐために言っているんだろうが、そんな、神話と歴史を混同したりしないって!
『柱は神霊の依代として重要な意味を持つ。神の数を数えるのに「一柱」「二柱」というのもここから来ているのである。』(P45)依代からか、「柱」というのは。
国造神話、『国造りが順調に戻ったのは、夫唱婦随の儒教倫理に従ったからである。記紀の神話の中には、このような儒教倫理を暗示したものが少なくない。』(P50)儒教が浸透したのは江戸からというイメージだから、古代日本で儒教ということを聞くと、五経博士とか記紀編纂以前に来ているから不思議ではないのかもしれないけど、どうしても意外感を覚えてしまうなあ。
神の誕生シーンばっかり続いて、どうも神個々のエピソードが少なく感じるなあ。たぶん、そういう風にエピソードが少ないから、神々の名前が記憶できないし、神話に苦手意識持っていたのかも。
『この三柱の神の誕生をいたく喜んだイザナキは「私は多くの神を生んだが、最後にかくも貴い三柱の子を生んだ!」と言い、これらの神を「三貴子」と読んで特別に尊んだ。』(P62)その後のエピソードで、スサノオは『しかし末の弟のスサノオだけは復命せず、あごひげが胸元に達するまで(成人するまで)泣き喚いて手がつけられなかった』(P64)とあるので、なんでスサノオが「三貴子」に含まれているのかわからないな、イザナキの末の息子に対する親馬鹿か(笑)
『貢物を献納したり、髭や爪を切るのは刑罰の一つで、古代社会では、そうすることによって罪や穢れが祓い清められると考えられていた。』(P82)ということは古代人は普段は爪は普段はのばしっぱなしってこと?
ヤマタノオロチ、『山から水を集めて斐伊川に注ぐ幾筋もの沢をイメージしたもの』(P90)大蛇の血が肥河を赤く染めたと言うのは、『古くから砂鉄を多く産出して川の石が赤く錆びていた』(P90)からで、大蛇の尾から剣が現れたのが、『当時、まだ銅製の剣が主流だった時代に、いち早く鉄製の剣を作っていた』(P90)から、こういう見立て(?)はちょっと面白いな。
ヤマトタケルのエピソードで、「君去らず」から「木更津」、「吾妻はや(わが妻よ)」から「吾妻」と呼ぶようになったという、地名の語源(?)エピソードは、「木更津」とかそういうところから来ているのか、とちょっとおどろいた。
斎宮の生活、ひどく窮屈そうだ。