午後からはワニ日和

午後からはワニ日和 (文春文庫)

午後からはワニ日和 (文春文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
イリエワニ一頭を頂戴しました。怪盗ソロモン」凶暴なクロコダイルをどうやって?続いて今度はミニブタが盗まれた。楓ヶ丘動物園の飼育員である僕(桃本)は解決に乗り出す。獣医の鴇先生や動物園のアイドル七森さん、ミステリ好きの変人・服部君など、動物よりもさらに個性豊かなメンバーが活躍する愉快な動物園ミステリ。

似鳥鶏さん、創元推理文庫のシリーズ以外の作品ははじめてだから、期待もあったけど、不安もちょっとあった、でも普通に読みやすくて面白かった。
動物園の仕事についての文章も面白く読めた。というかミステリー部分の印象よりもそっちの方が印象に残る。
『「ふれあいひろば」は、動物達に親しんで関心を持ってもらうために、当の動物たちにストレスを強いなければならない――という、動物園の辛い部分を最も直截に体現する悩ましいセクションである』(P25)言われれば納得だが、そうなんだ。
密輸云々が普通に会話に出てくるって、そうした動物数寄の人って普通の人よりは、密輸云々とかが現実的な色合いを帯びるのかね。
豚を小脇に抱えて逃走する怪盗ソロモン、という想像には笑った。
GPSロガー、山歩きなどに、そんなものあるんだ。はじめて知ったよ。
ヒロインの鴇先生のキャラも好きだ。
園長、なかなか謎めいたキャラだな。