陽炎の男 剣客商売 3

剣客商売〈3〉陽炎の男 (新潮文庫)

剣客商売〈3〉陽炎の男 (新潮文庫)

出版社/著者からの内容紹介
若衆髷をときほぐし、裸身を湯槽に沈めた佐々木三冬に、突然襲いかかる無頼の浪人たち。しかし、全裸の若い女は悲鳴もあげず、迎え撃つかたちで飛びかかっていった。隠された三百両をめぐる事件のさなか、男装の武芸者・三冬に芽ばえた秋山大治郎へのほのかな思いを描く表題作。香具師の元締のひとり娘と旗本の跡取りとの仲を小兵衛がとりもつ「嘘の皮」など全7編。シリーズ第3作。

今更だが、おはるの語尾の「〜よう」というのが気になるんだが。おはるの父も使っているので、方言なんだろうけど。「〜よう」の他にも「あい、あい」とか、そういう言葉は甘えているように聞こえるのがどうもなあ。

「陽炎の男」
小兵衛、事件の折、自分の出番がないと「つまらなそうな顔つきにな」るって、荒事好きだねw
松軒、佐平治の死の間際の遺言、単体で見れば、いいエピソード(といっては語弊があるかな。少なくともきれいな話ではある)なんだけどなあ。まあ、強盗や人殺しが絡んだんのだから、いいもなにもないといえばそうだけど。しかし、こういうエピソードはなんと形容したらいいのか、本当に分からないのが歯がゆい、ほかに適語がありそうなのに。情感あるエピソード?
「嘘の皮」
鎌屋辰蔵、二年後のことをよく承知したな。しかも口約束なのに。養女にしたのが効いたか。二年後までに田沼が失脚していなければいいけど(田沼時代というだけで他にこの短編は何年だとかいちいち気にしていないから、失脚までどのくらいか分からん)
「兎と熊」
内田久太郎、御家人が大身の旗本の家来になれたと喜ぶのは、御家人が旗本の家来になると言う風なことがあったということは知っているけど、そういうことを率直に喜んでいるのはちょっと違和感が、まあ、そんなのは勝手なイメージだけど。
内田と房野がのちに夫婦になったって、こういうのがストックホルム症候群というのかな(笑)
しかし、大治郎一日おきに田沼屋敷に剣術の稽古つけている、とあったが、特にこの回では休む断りを田沼邸にいっていない気がするが、設定どこ行った。(時系列が田沼邸に出入りする前だったりはしないよね?)ちょくちょく親子二人で事件につっこんでは休んでいるけど、大丈夫なのか、心配になる。
「婚礼の夜」
平山から十両貰って、二両は情報得るための費用に使って、弥七に八両わたしたんだから。三冬から借りた五両はちょうど返せる額じゃないの?ちょうど採算が合うと思ったのに。まあ、平山から貰った汚れた金を渡したくなかったと言う心理的なものかもしれないけどさ。あるいは単に読み落としている箇所があるか。

御意簡牘、ぐぐっても池波さんの本に関連したものしか出てこんのだけど?なんだろ。