明治天皇を語る

明治天皇を語る (新潮新書)

明治天皇を語る (新潮新書)


内容(「BOOK」データベースより)
前線兵士の苦労を想い、率先して質素な生活に甘んじる。ストイックなまでに贅沢を戒めるその一方で、実は大のダイヤモンド好き。はたまた大酒飲みで風呂嫌い―。かつて極東の小国に過ぎなかった日本を、欧米列強に並び立つ近代国家へと導いた偉大なる指導者の実像とは?日本文化研究の第一人者が、大帝の素顔を縦横無尽に語り尽くす。

元が講演だからか、すごく読みやすくて、読み始めたら最後まで止まらなかった。キーンさんの、「明治天皇」も近いうちに読もうかな。
明治天皇、『刺身が嫌い、海の魚も嫌い、花見も嫌い、清潔さに興味がない。ようするにかなり変わった日本人だったのです。』(P32)変わった人という印象は全くなかったんだが、こう列挙されるのを見ると結構変わっているねえ。
皇后との結婚、皇后との年齢差が不幸な年回りと言うのが問題になり、『結局、美子の生まれを一年遅らせることで解決されました。』(P46)なんかすごく本末転倒といった感じがするのだが(笑)
即位したばかりの天皇への教育、『神皇正統記』の輪読、ってそれ南朝じゃねぇか(笑)、教育からそういう風だったのなら、のちに南朝正統と認めても不思議でないが、誰が読ませたのやら。
『たとえば日曜日が公式に休日と定められたのは明治九年のことです。政府はキリスト教への屈服と見られるのを危惧しますが、西洋の先進国と足並みを揃えることを優先します。土曜の午後も休暇としました。』(P79)前まで、学校とかで土曜が半日休みだったのはここから?
天皇が太平洋、伊勢神宮を見るのは、明治天皇が、天皇ではじめて!!すごい意外と言うか順当というか迷うが、驚くような事実だということは確かだ。
巡幸、道中は輿の中で正座だから一種の拷問。と書かれていて、なるほど、と納得。
西郷隆盛、外国人にはどうも理解しにくい人物とキーンさんは言っているが、僕も何故人気なのか、よくわからない(笑)
明治天皇、著者は私見だと断っているが、乃木稀典も嫌い。それでも自殺したのは、江戸時代の初期に殿とろくに顔を合わせたことのない下級武士が殉死が相次いだことを思い起こすな。