銃・病原菌・鉄 下

内容(「BOOK」データベースより)
世界史の勢力地図は、侵略と淘汰が繰り返されるなかで幾度となく塗り替えられてきた。歴史の勝者と敗者を分けた要因とは、銃器や金属器技術の有無、農耕収穫物や家畜の種類、運搬・移動手段の差異、情報を伝達し保持する文字の存在など多岐にわたっている。だが、地域によるその差を生み出した真の要因とは何だったのか?文系・理系の枠を超えて最新の研究成果を編み上げ、まったく新しい人類史・文明史の視点を提示した知的興奮の書。ピュリッツァー賞・コスモス国際賞受賞作。朝日新聞ゼロ年代の50冊」第1位。

もっと難しい本だと思っていたが、思ったよりずっと読みやすかった。
『日本人が、効率のよいアルファベットやカナ文字でなく、書くのがたいへんな漢字を優先して使うのも、漢字の社会的ステータスが高いからである。』(P72)??、なんかピントがずれている意見だなあ。日本語は同音異義語が多いから、全文かな文字とかで書くとわかりづらくなるからだと思うが。そもそも補助的なものとして生まれたものをメインで使おうするのはなあ。

小規模血縁社会(数十人・移動生活)、部族社会(数百人・定住生活、村落は1)。階級ないのか。なんとなく、そうした古代は階級がなく〜、というのは今までファンタジーだとばかり思っていたが、そうした言説の根拠はここから来ているのかな?

オランダ人が南アフリカに入植したとき、低い人口密度の牧畜民のコイサン族を相手にするだけで入植できた。その後高い人口密度の農耕民コーサ族と遭遇して以降激戦が。喜望峰付近が牧畜民の居住地帯だったから容易に入植できたが、もし、アフリカの農耕民が耕作できる地域だったら入植は難しかった。

ユーラシアとアフリカ・アメリカの違い。大陸が南北に長いか、東西に長いかの差、そして栽培化や家畜化可能な野生祖先主の分布状況の違い。